
インフルエンザの症状や合併症
インフルエンザとは、例年冬に流行する感染症で、インフルエンザウイルスが原因です。近年は季節を問わず1年中感染が報告されています。
症状は、38度を超える発熱や頭痛・倦怠感・筋肉痛・関節痛が見られ、これらの症状がかぜ症候群より出やすい傾向にあります。ほかに、咳や鼻汁・咽頭通などのかぜ症候群にみられる症状が合併することがあります。潜伏期間(感染から発症までの期間)は1~3日です。状態が悪化すると、肺炎(酸素が取り込めず呼吸できなくなる)や脳症(脳組織に炎症を起こし、意識障害を起こす)を合併することがあります。

インフルエンザの原因と感染経路
人が吐き出した咳やくしゃみなどの分泌物にウイルスが混じり、それらが口や鼻から侵入して感染症をおこします(飛沫感染)。
ウイルスはA・B・C型の3型があり、年によって流行する型が異なります。また、これまで人が感染しなかった型のインフルエンザ感染症が流行することもあります(新型インフルエンザ)。

インフルエンザの検査と治療
流行の状況やインフルエンザウイルス感染症患者との接触歴(問診)が、診断に重要です。迅速診断キットにて、感染の有無を診断できます。
治療は、自宅安静が原則です。水分・食事摂取が困難な場合に、点滴による水分補充が必要になります。また、抗インフルエンザ薬(タミフル®やイナビル®など)を使用して症状悪化を抑制します。

インフルエンザの予防とワクチンの重要性
マスクを着用し、手洗いをおこなうことで、感染を減らします。空気が乾燥している環境も感染するリスクが上がります。適度な湿度の保持も重要です。
インフルエンザワクチン接種も非常に有効な手段です。発症そのものを減らすだけでなく、重症化や死亡するリスクを大きく低減できます。65歳以上の高齢者では34~55%の発症を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。インフルエンザは、乳幼児・高齢者や基礎疾患のある方にとって、命に係わる病気です。①自分が感染しない②自分から周囲の乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ感染症に弱い人へ感染させない2つの目的のため重要です。家族や社会全体の健康を維持するために重要であり、ワクチン接種を勧めています。

当院の予防接種
当院では、毎年多数の患者様にインフルエンザの予防接種を実施しています。常勤医を2名に増員したため、よりスムーズに提供いたします。医師が不安なことやご質問に対応いたします。予約は不要のため、受付時間内にご来院ください。静岡市に住民票がある65歳以上の方、一定の基礎疾患を有する方はワクチンの補助があります。下記ページからご確認ください。

通学・就労の制限について
発症後7日間はウイルスを排出しているといわれます。排出している間は、外出を控える必要があります。学校保健安全法では、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)経過するまで、出席停止期間となります。